オフィス

2023.10

福岡県

株式会社サン・ライフ

10年以上が経過したオフィスビルの空調設備にレトロフィットメンテナンスプランを導入し、快適性能を取り戻すことができました。ダイキンエアテクノからのさらなる提案にも期待しています。

不動産を中心に「ベスト・マネジメント」を提案・提供し続けている株式会社サン・ライフ様。今回、管理されている福岡市博多区のオフィスビルにレトロフィットメンテナンスプランを導入した経緯と効果について、株式会社サン・ライフ 統括管理マネージャー 西山 尚文様に詳しくお話を伺いました。

  • 空調
導入概況
建物: 事務所(鉄骨造)/延床面積18,839.37m2
作業概要: 中長期計画(整備)レトロフィットメンテナンスプラン
導入設備: ビル用マルチエアコン(冷暖フリーA型)、総馬力980馬力 30系統

福岡地所グループの快適空間提案企業

株式会社サン・ライフ様の会社概要をお聞かせください。

当社は1973年、福岡地所グループの建築内装工事業部門の会社として設立。その後、快適空間提案企業をモットーに、さまざまなオフィスビル、商業施設、公共施設などの計画から工事の施工管理、建物の総合管理に携わってきました。現在は街を舞台に事業領域を拡大し、九州No.1のビルメンテナンス企業として保守管理部門、工事部門、エネルギー部門、保険部門が連携し合い、お客様に「ベスト・マネジメント」を提案・提供し続けています。これからも、都市づくり、街づくりという目線からサステナブルな都市空間の形成・運営に貢献するとともに、街との接点を増やしながらさまざまな事業を展開していきたいと考えています。

私自身は保守管理部門に属し、ビル・建物における総合管理に加え、付随する工事やメンテナンスなどを担当しています。2009年3月の竣工以来、当社がマネジメントをさせていただいている当オフィスビルには2020年8月に着任しました。

中長期的な観点における空調設備の課題

西山様が担当されているオフィスビルにおける
空調設備の課題についてお聞かせください。

当オフィスビルの管理状態を把握するため、着任してすぐにさまざまな設備を調査しました。当然、そのなかには空調設備も含んでいます。まず、テナントの多くは9~17時という一般的な勤務形態の企業のお客様ですが、低層階には24時間営業をされている店舗も入居されています。また、上層階の一部テナントには、24時間フル稼働のサーバールームを設置されているお客様もいらっしゃいます。これらを踏まえると、当オフィスビルの空調設備は、常時高い負荷がかかっていると推測できます。

統括管理マネージャー 西山 尚文様

幸いにも、当オフィスビルにはダイキン製空調設備などを一元管理するビル統合監視盤「D-BIPS」を導入していたため、リアルタイムの空調管理などには大きな効果を発揮していました。しかし、2020年の時点で当オフィスビルは10年以上経過しており、今後は加速度的に経年劣化が進行すると予測。そう考えると、中長期的な観点での改修・更新に課題がありました。そうした状況を踏まえて、改修・更新の計画を立てる必要があり、近々に何らかの対策が必要だと考えていました。

さらに、コロナ禍という世界的なパンデミックも空調・換気設備の対策に拍車をかけました。とくに大きかったのは、テナントに入居されているお客様からの問い合わせが増加したことです。なかでも、換気設備である全熱交換器に対して「〇〇平米の部屋で1日あたり何回換気できるのでしょうか」といった問い合わせが増えました。コロナ禍以前はこうした問い合わせはありませんでしたから、それだけ換気や空調に対する意識が高まっていたと考えることができます。

管理側である我々は、お客様の不安を解消したいという想いで、できるだけ正確に要望を伺い、安心いただける回答を模索してまいりました。その過程で、あらためて空調設備の対策が喫緊の課題として浮かび上がりました。

ダイキンエアテクノは事案の把握が的確

ダイキンエアテクノとのお付き合いのきっかけを教えてください。

当オフィスビル着任直後、実行しなければならない期限が迫っている事案が数件ありました。タイトなスケジュールのなか、既存の業者にも努力してもらいましたが、間に合いそうにありません。そこで、上席に相談して紹介してもらったのがダイキンエアテクノです。

そのときのダイキンエアテクノの印象はいかがでしたか。

別の担当者になりますが、すでに良好なお付き合いをさせていただいていることもあり、ミーティング後の行動が迅速で非常に好印象でした。とくに事案の把握が的確だったため、安心してお任せできると感じました。

レトロフィットメンテナンスプラン導入の背景をお聞かせください。

中長期的な改修・更新計画といっても、当初はイメージ程度でした。喫緊に考えていたのはオーバーホールです。実際、お付き合いが始まったダイキンエアテクノとは、室外機における駆動部や制御部などの主要部品、圧縮機、サーミスタ、基板などを交換するタイミングについて話を詰めていました。そうしたなか、ダイキンエアテクノから提案いただいたのがレトロフィットメンテナンスプランでした(図)。

レトロフィットメンテナンスプラン概要図

省エネ性能や耐久性に期待

レトロフィットメンテナンスプランを導入するにあたり、
他社製品との比較・検討はされましたか。

他社との比較・検討はしていません。詳しく調査していませんが、レトロフィットメンテナンスプランと同等の機能を提供する製品やサービスはなかったと記憶しています。導入の決め手は前述したオーバーホールに加え、近年の猛暑や値上がりが続く電気料金への対策もありました。空調設備のコントロールがますます重要になり、今まで以上に知恵を絞る必要があると考えていたところに提案いただいたのがレトロフィットメンテナンスプラン。まさに渡りに船と思った次第です。我々としては、レトロフィットメンテナンスプランが提供する快適性能や省エネ性能、耐久性に期待し、導入させていただきました。

「安全」「正確」「迅速」の3つをクリア

ダイキンエアテクノの整備作業についてはいかがでしたか。

現場における作業管理は私の業務の一部ですから、これまでさまざまな作業を拝見させていただきました。この経験から、私自身が重要と考えているポイントが3つあります。それは「安全」「正確」「迅速」の3つです。今回のレトロフィットメンテナンスプランの作業を拝見させていただき、ダイキンエアテクノはこの3つのポイントをすべてクリアしていることに感銘を受けました。何も申し上げることはございません。とにかく安心して作業を見守らせていただきました。

一例を挙げると、雨風などの悪天候の際には室外機をブルーシートで覆うなど、その場で状況の変化に応じた的確な判断がなされていました。これは「安全」「正確」につながるフローだと感心しました。また、スケジュールに照らし合わせながら、天候の状況によって作業の進捗を調整する対応力(=「迅速」)も見事でした。

さらに、コロナ禍ということもあり、作業員の方の体調管理も大変だったと思います。ダイキンエアテクノいわく「毎朝体温チェックして作業にのぞんでいます」とのことで、安心して作業を任せることができました。

導入後に確認できた快適性能

レトロフィットメンテナンスプランに対する評価をお願いします。

次の2点についてお話をさせていただきます。

空調に対するテナントからのご意見がゼロに

以前は外気温の上昇に比例してテナントのお客様から「冷房が弱い」「風量が少ない」といった空調に対するご意見をいただいていました。我々としては、そうした声への対応も仕事のひとつとして考えていましたが、幸いにもレトロフィットメンテナンスプラン導入以降は1件もありません。レトロフィットメンテナンスプラン導入を含め、ダイキンエアテクノに行っていただいたオーバーホールが上手くいった結果だと捉えています。

省エネ効果は今後5年の平均で判断

オーバーホールの前後において、各テナントの電力使用量を比較しました。その結果、現在のところは削減できているといえませんでした。しかし、これは当然の結果だと認識しています。なぜなら、コロナ禍からアフターコロナに移行する過程であり、在宅勤務から通常の勤務形態、営業形態に戻って空調設備の利用時間が増えている可能性があるからです。このため、少なくとも5年間ほどは空調設備の利用時間や電力量などの数値を注視する必要があると考えています。

レトロフィットメンテナンスプランを実施したオフィスビルの室外機

対応力、対応範囲の広さに助けられている

ダイキンエアテクノへの率直な評価をお聞かせください。

当オフィスビルを含め、ビルや施設の管理業務には補修工事やメンテナンスなどが必須のため、どうしても専門性の高い業者との協力体制が欠かせません。その際、業者と「ここから先はできません」「それは無理です」といったネガティブなやり取りがあると、突発的な問題やトラブルが発生したときにお願いし難くなってしまいます。もちろん我々も、すべてにおいて無理やりお願いしているわけではありません。ご協力を求めざるを得ない場合の対応力の話です。

その点、ダイキンエアテクノはあらゆる案件に対して真摯に対応。快く受けていただけることもあれば、お互いにとってより良い提案で対応してもらえることもあります。ダイキンエアテクノの対応力、対応範囲の広さには、本当にいつも助かっています。

空調設備の選定に悩む管理会社などに向け、アドバイスがあればお願いいたします。

経験上、3つのポイントがあると思っています。ひとつ目はメンテナンス性です。メンテナンスが容易であれば、故障が発生してもすぐに復旧が可能です。ふたつ目はスペックです。余力があれば、数年は維持させることができます。最後は省エネに目を向けた製品かどうかという点です。今回、当オフィスビルに導入したレトロフィットメンテナンスプランは、この3つを兼ね備えていました。ダイキン製の業務用マルチエアコンを利用されているビルや施設であれば、レトロフィットメンテナンスプランを検討する価値があると考えます。

DX化の提案もダイキンエアテクノに期待

今後の展開とダイキンエアテクノに対する期待をお聞かせください。

現在は第2期のオーバーホール中で、これが完了したあとは空調機と全熱交換器両面での更新を考えなければなりません。具体的な取り組みは5年後になってくると思いますが、すでにダイキンエアテクノとは更新に向けた会話を始めています。

このほか、当社としてはテナントのお客様に対してDX化の提案を積極的に展開していきたいと考えています。生活の基盤となる都市機能の一翼を担うオフィスビル、施設において、安全の追及とサステナブルへの取り組みは必須で、これらを推進するにはICTの力を借り、DX化を提案していく必要があると思っています。もちろん、空調設備のみならず、オフィスビル、施設を形成するあらゆるシステムにおいてDX化を推進しなければなりませんが、その際にはぜひダイキンエアテクノにもサポートいただけることを期待しています。引き続き、今後ともよろしくお願いいたします。

ダイキンエアテクノより

この度はお忙しいなか、お時間を頂戴し誠にありがとうございました。当社の強みは、調査から設計、提案、施工、メンテナンスまで一貫したサービス、トータルサポートができることです。お客様のお困りごとに真摯に向き合い、空気を通じて、幅広いご提案から、心地よさを提供できるよう今後も務めてまいります。今後ともダイキンエアテクノを末永くよろしくお願い申し上げます。

九州支店 ソリューション部 ファシリティ提案営業Gr 川井 健太郎

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取材日:2023年8月

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