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2023.09

福岡県

株式会社トヨタプロダクションエンジニアリング

ダイキンエアテクノによる省エネ改修は、ZEB Ready認定の取得や約20%の電力量削減を実現するなど、当社のカーボンニュートラルに向けた取り組みを力強く後押ししてくれています

デジタルエンジニアリングでTOYOTAの「もっといいクルマづくり」に貢献している株式会社トヨタプロダクションエンジニアリング様。今回、本社・福岡技術センターの空調機更新をダイキンエアテクノに依頼した経緯と効果について、常務取締役 西舘 和雄様、コーポレート本部 人事・総務室 本社人事・総務G 主幹 原口 丈仁様、同部 同G 主幹 田中 英樹様に詳しくお話を伺いました。

  • 空調
  • ZEB
  • 補助金
導入概況
所在地: 福岡県宗像市アスティ1丁目6番地
建物: 地上4階建て(鉄骨造)/延床面積7,000m2
工事概要: 築13年の既存設備更新工事(空調機・LED照明)および躯体断熱工事
導入機器: 業務用マルチエアコン15系統(416HP)、店舗・オフィスエアコン5系統(36.5HP)、DK-CONNECT導入

株式会社トヨタプロダクションエンジニアリング(以下、TPEC)様の会社概要をお聞かせください。

トヨタ自動車株式会社100%出資の子会社で、自動車に関するデジタルデータを基軸にした製造準備、設備開発設計、品質データ管理を行っています。技術開発・デジタルエンジニアリング・フィールドエンジニアリングを通じ、製造技術(量産準備)を中心に、トヨタのクルマづくりの各プロセスをデジタルで支援し、「もっといいクルマづくり」に貢献しています。

CO2排出ゼロへの取り組み

今回、ダイキンエアテクノが携わった省エネ改修の根幹になっている御社の環境への取り組みについてお聞かせください。

近年、カーボンニュートラルをはじめとしたさまざまな環境問題に対する取り組みをトヨタグループ全体で推進しています。当社も「TPEC環境チャレンジ2050」を掲げ、再生可能エネルギー由来電力100%使用の継続と省エネ・自家発電により、2050年には本社・福岡技術センターのネット・ゼロ・エネルギー・ビルを目指しております。

現在は2030年の▲60%の購入電力削減に取り組んでいる真っ最中で、今回のダイキンエアテクノによる空調機更新により、この取り組みを大きく前進させることができました。

環境委員会の発足で空調機の運用を見直し

本社・福岡技術センターの空調機更新のきっかけを教えてください。

2009年の建設以降十数年が経過し、さまざまな修繕費が発生するようになっていました。そこで、2021年に環境委員会を発足させ「TPEC環境チャレンジ2050」のもと、空調機の運用改善や修繕計画などの立案を行っていました。これが空調機更新のきっかけですが、当初は全面的な空調機更新の予定はありませんでした。ダイキンエアテクノからの提案が後押した恰好です。

ダイキンエアテクノとは、どのようなお付き合いをされていたのでしょうか。

当社の空調機はダイキン製が多数を占めていたこともあり、いつしか空調機の保守・メンテナンスはダイキンエアテクノにお願いするようになっていました。2020年には隣接する宗像研修所(旧棟)の空調機更新もお願いしています。

長期的な視点での省エネは一括更新

ダイキンエアテクノからの提案について教えてください。

空調機に不具合が発生したタイミングで、ダイキンエアテクノから補修部品の保有期間についての話がありました。ダイキンエアテクノいわく「補修部品の保有期間は10年」とのことで、本社・福岡技術センターに設置されている空調機は10年以上が経過していたため、在庫分の補修部品がなくなった場合は修理ができなくなる可能性があるという話でした。想定される課題であり、環境委員会では、4 ~ 5年のサイクルでフロア別に空調機を更新する中長期保全計画を考えていましたので、ダイキンエアテクノの新型圧縮機に入れ替えて空調機の省エネ性や耐久性、快適性を引き上げるレトロフィットメンテナンスを導入するという提案は良い提案だと思いました。

この提案とは別に、ダイキンエアテクノからもうひとつ提案をいただきました。国土交通省の補助金を活用し、本社・福岡技術センターの空調機すべてを更新するという提案です。正直、2つの提案には迷いましたが、ダイキンエアテクノと綿密な打ち合わせをさせていただき、最終的には一括で空調機を更新した方が、長期的にはより多くの省エネやコスト削減が期待できるという見解に達しました。どちらにしても、数年後には更新しなければなりませんし、それならば前倒しですべて更新する方が得策という考えでした。そこで今回は、補助金の要件である省エネ空調機への更新と照明のLED化、断熱材を入れる仕様でダイキンエアテクノに工事を依頼しました。

常務取締役 西舘 和雄様
コーポレート本部 人事・総務室 本社人事・総務G 主幹 原口 丈仁様
コーポレート本部 人事・総務室 本社人事・総務G 主幹 田中 英樹様

予想以上の省エネ効果でZEB Ready認定へ

今回の取り組みではZEB Ready認定も取得することができました。

当初は国が定める建築物エネルギー消費性能基準に基づく一次エネルギー消費量から算出されるBEI(一次エネルギー消費量基準)の値によって評価されるBELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System /建物省エネルギー性能表示制度)の5つ星を取得できそうだと伺っていました。その後、予想以上の省エネ効果が得られるとのことで、さらに上位に位置するZEB Ready(再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量削減に適合した建築物)認定を取得することができました。ZEB Ready認定は「TPEC環境チャレンジ2050」を具現化とした取り組みとして、ホームページなどを通じてアナウンスできますから、当社としては非常に有意義な認定だと感じています。

ダイキンエアテクノの工事対応についてはどのように評価されていますか。

2022年10月から工事が始まり、同年12月には竣工しました。3カ月の短い工期のなか、日常業務への影響を最小限にするため、できるだけ土日を使った工事をお願いしていましたが、しっかりご対応いただきました。どうしても、平日に行わなければならない場合は、部屋ごとに細かいスケジュールを立て、計画通りに進めていきました。

また、当社の施設内工事に関する独自ルールに沿って、毎日の工事計画書や日々のKYミーティング、始業前・終了後点検など、災害防止のための手続きをしっかりと実施していただきました。無事に無災害で3カ月間の工期を終えていただき、大変感謝しています。

建物全体の20%前後の電力量を削減

今回の省エネ改修における効果をお聞かせください。

本稼働してまだわずかとはいえ、現時点で毎月建物全体の消費電力量に対して20%前後の削減効果(電力量)が得られています。以前も20%の削減に取り組んだことはあるのですが、簡単に達成できるものではなく、小さな改善の積み重ねでどうにか達成できる認識でした。それが今回はあっさり20%削減を実現できて、省エネという観点だけ見ても導入効果はありました。そのほか、以下の点でも評価をしています。

電力量の見える化を実現

以前から電力の見える化を思案しており、これまで別の業者を通じて検討していました。なかなか予算などの関係で実現できていませんでしたが、ダイキンエアテクノなら予算内の範囲で実現できることを知りました。導入したのは、空調機の稼働状況を遠隔監視で見える化する「Ene Focus α」と、空調機・照明など設備の一元管理を可能にするクラウド型空調コントロールサービス の「DK-CONNECT」。これにより、空調機や照明の消費電力をいつでも把握できるようになりました。しかも、すべての空調機の温度設定をパソコンで制御できるため、温度の確認や設定を行うために各フロアの空調機を見て回る必要がありません。このデータは蓄積されていきますから、ダイキンエアテクノと相談しながら今後の省エネ対策などに活用していくことができます。

「5CSコネクト」でメンテナンス工数を削減

ダイキンエアテクノの提案により、24時間365日の遠隔監視によって空調機の劣化や異常を早期に検知し、故障を予知する「5CSコネクト」を導入しました。予防保全・故障時の即時対応などの安心感に加え、3カ月に1度の簡易点検(フロン法点検)を自動化。当社は工数削減という恩恵が得られています。さらに、オフィスで働く従業員に対して、暑さ・寒さの我慢をお願いせずに済むのも有り難いと感じています。

ダイキンエアテクノへの評価をお願いします。

納期ありきのなか、発注が遅延してギリギリまで待っていただいたにも関わらず、計画通りに工事を進めていったダイキンエアテクノの調整力に感服しています。また、補助金の申請手続きが大変だったと後から伺いましたが、ダイキンエアテクノはそういった雰囲気を一切出さず、粛々と申請業務を進めていただきました。おかげさまで、当社としては安心してお任せることができました。本当に感謝しています。

ZEB Ready認定の証明書
7月の消費電力は昨年比▲25.0%を達成 ※2022年度は曜日あわせ実施(1日)

省エネやコスト削減に寄与する多彩なサービス

ダイキンエアテクノの先行ユーザーである御社から、
空調機更新に悩む企業に向けたアドバイスがあればお願いします。

空調機の更新は、予算やコストなどの問題で躊躇してしまうケースが少なくないと思います。しかし、ダイキンエアテクノなら最新の空調機やLED照明などをさまざま手段でコントロールし、省エネやコスト削減に寄与するサービスを提供してくれます。まずは一度、ご相談してみることをおすすめします。

最後、今後の展開とダイキンエアテクノに対する期待をお願いします。

今回の省エネ改修で省エネ、コスト削減のところは目途がつきました。次は太陽光パネルなどによる創エネについても検討していきたいと考えています。その際はダイキンエアテクノの提案力に期待しています。ご面倒をおかけすることもあるかと思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。

入れ替えを行なったエントランスの空調機
「DK-CONNECT」により、
オフィスはいつも快適な温度に保たれている
会議室の空調機の稼働状況も
「Ene Focus α」で遠隔監視

ダイキンエアテクノより

補助金申請はタイトなスケジュールで心配しましたが、TPEC様のご決断の速さで書類作成の時間確保ができとても助かりました。また、工期につきましても、会議室などの使用状況を前もって確認していただけましたので、平日昼間の仕事ができスムーズに進めることができました。ありがとうございました。TPEC様の環境配慮の取り組みにも携われてうれしく思います。当社もSDGsの取り組みを進めるに当たっては参考になることばかりでした。今後も、保守契約で繋がり続けていきながら勉強させていただきます。引き続きよろしくお願いします。

九州支店 ソリューション部 住宅システムGr 吉村文宏

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取材日:2023年6月

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