店舗

2022.01

岐阜県

中部薬品株式会社

地域密着健康ステーション」を掲げ、SDGsへの積極的な貢献に取り組む当社は、省エネ・創エネ、断熱強化などによって一次エネルギー消費量を大幅削減したZEB認定の新店舗をダイキンエアテクノと一緒につくりました。

  • ZEB
  • 補助金

2021年2月、Nearly ZEBの認定を受けたV・drug藤枝茶町店をオープンし、次の新店舗2つではZEB認定を獲得した中部薬品株式会社。これらの新店舗でZEB仕様を採用した経緯と期待について、設計監理部 林 元英マネージャーに詳しく伺いました。

1.地域に密着するドラッグストアを展開

中部薬品株式会社の会社概要をお聞かせください。

当社は「人々の健康で幸せな暮らしに貢献する」という経営理念のもと、中部圏に約470店舗のドラッグ・調剤薬局のチェーンストアを展開。医薬品・化粧品に加え、食品・酒などの品揃えはもちろんのこと、焼き立てパンや弁当・惣菜なども提供し、地域のお客様に便利にご利用いただける店舗として、たくさんのお客様にご愛顧いただいています。

調剤薬局に関してはドラッグストア併設型薬局を積極的に推進するなど、当社が展開するチェーンストアは「地域密着健康ステーション」としての役割を担うことが使命であると考えています。「地域密着健康ステーション」の機能は「医療サポート機能」「健康と美のサポート機能」「生活サポート機能」の3つ。「ずっと健康、もっといい未来」をキャッチフレーズに、この3つの機能を時代の変化や地域に対応しながらバランスよく組み合わせて、これからも優れたサービスを提供してまいります。

V・drug藤枝茶町店

設計監理部の業務について教えてください。

設計監理部は新店舗設計や店舗の改装計画、エネルギー管理などを主体とした店舗運営のマネジメント、さらには商品を陳列するための備品やお客様に利用いただく買い物カゴの調達まで、業務の大小を問わず、店舗運営のあらゆるところを担う部門になります。今回のZEBは、まさに店舗運営のマネジメントに直結するところですので、我々の部門が主幹しました。

2.SDGsの達成に貢献したい

御社が環境問題に積極的に取り組む理由についてお聞かせください。

ご存知の通り、地球環境問題への取り組みは喫緊の課題です。当社も世界的なSDGsの流れを受けてさまざまな活動をしていますが、SDGsのために何かに取り組むのではなく、我々自身が掲げる「地域密着健康ステーション」としての役割を担うための4つの重要課題「ずっと健康」「もっといい未来」「地域密着」「地球持続性」への取り組みがSDGsの達成に貢献すると考えています。

具体的な活動として、フードロス問題に関しては賞味期限切迫の商品をフードバンクへ提供。エネルギー問題においては、太陽光パネルを2019年に20店舗、2020年に10店舗、2021年も10店舗に設置する計画で、2022年3月期には40店舗での発電所が稼働になります。また、従業員一人ひとりにSDGsカードを配布、さらにグループ全体で定期的なSDGs会議を開催して問題意識や成功事例の共有を図るなど、当社は常日頃から地球の未来を考えた行動を実践する企業を目指しています。

ダイキンエアテクノとはいつからのお付き合いになりますか。

ダイキンエアテクノとのお付き合いは2004年からスタートしています。ダイキンエアテクノにお願いしているのは店舗運営全般のサポート。空調・換気だけでなく、店舗づくりのコンサルティングや設計といった上流のところから入っていただき、お客様および従業員が快適に過ごせる空間・環境の構築、そして店舗の継続的な運営に関わる部分で多大なる協力をいただいています。ほぼ全店舗をサポートしていただいている状況のお付き合いのなかで強い信頼関係が生まれており、今では欠かせないパートナーだと思っています。

3.当社が求めるベクトルと一致するZEB

今回のZEBは、どのようにして生まれたのでしょうか。

店舗の運営状況のほか、SDGsや地域貢献などをテーマに日頃から店舗のあり方について議論するダイキンエアテクノとの定例会のなかで提案いただいたのがZEB(図1)でした。災害時における事業活動の継続(BCP:Business continuityplanning)、避難拠点・物資供給拠点の役割を担う地域貢献というZEBのコンセプトは、当社が求めるベクトルと一致するものでしたから、提案をうかがった際には大いに興味が湧きました。

ただ、ZEB仕様の店舗をつくるとなると、今以上のコストが必要になります。当社も企業として経済活動をお疎かにはできませんから、当初は難しいと考えていました。しかし、ダイキンエアテクノと議論を重ねながら、以下の理由で推進できると判断。ZEB仕様の店舗づくりに着手することしました。

補助金を利用できる

「ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」として二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金を利用できるとのことでした。加えて、ZEBの要件である太陽光パネルを用いた創エネを加味すれば、費用対効果の面でもメリットがあると考えました。

ESG投資が得やすい

ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス)投資の観点から、ZEBは機関投資家をはじめ、ステークホルダーからの支持も得やすいと判断しました。

地域に貢献できる

ZEBの店舗は省エネ・創エネ、そして断熱が強化された建物ですから、災害時は避難施設および防災施設として住民の活用拠点となります。ダイキンエアテクノからZEBのコンセプトとして地域貢献の提案を受けたときから、「地域密着健康ステーション」に据えた重要課題の解決につなげたいという想いがありました。

ZEBプランナーに登録している

ダイキンエアテクノはZEBプランナーに登録している企業のため、ZEB仕様の店舗設計を任せられるプランナーとして「信頼できる」と考えました。

ZEB実証事業の趣旨ならびに、ZEBロードマップの意義に基づき、ZEB設計ガイドラインやZEBや省エネ建築物を設計するための技術や設計知見を活用して、一般に向けて広くZEB実現に向けた相談窓口を有し、業務支援を行い、その活動を公表する事業者のこと

4.藤枝茶町店がNearly ZEBに認定

ZEB店舗の進捗状況を教えてください。

そもそも当社の店舗は、以前からダイキンエアテクノの支援もあってZEB Readyの認定は得られる仕様でした(図2)。そこで第一弾は、ZEB Readyの上位に位置するNearly ZEBの認定獲得を新店舗のV・drug藤枝茶町店(2021年2月オープン)で目指しました。おかげさまで、高断熱の外皮に高効率設備(空調、照明、換気、変圧器)を採用し、82kWの太陽光を設置することで基準の一次エネルギー量に対して約95%の省エネ(省エネ+創エネ)を実現した建物として認定。無事、Nearly ZEBの認定を獲得することができました。

その後、新たな2店舗(梅森坂と浄心店)は最上位のZEB認定にチャレンジ。無事に認定を獲得することができました。さらに現在は、ZEB認定の獲得を目指している2店舗を新築中です。今後、少なくとも毎年2店舗ほどはZEB仕様の店舗を増やしていきたいと考えています。

打合せにて(左からダイキンエアテクノ 安田主任・長谷川主任、中部薬品設計監理部 林マネージャー)
表敬訪問にて(左から中部薬品 ドラッグ事業本部 鈴木本部長、ダイキンエアテクノ 吉安部長)

5.グループ全体から注目され始めたZEB

ZEB仕様の店舗に対する評価をお聞かせください。

ZEBの店舗はこれまでお話させていただいたメリットに加え、年間のCO2削減率も向上することが分かりました。環境への配慮も高まるということで、「地域密着健康ステーション」を基盤にSDGsに取り組む当社はもちろん、今ではグループ全体からも注目され始めてきました。ZEBを推進してきた我々としては嬉しい限りなのですが、一点だけ課題があります。それは、一般のお客様への周知が遅れていることです。

当社の取り組みですから、CSR活動の観点からもアピールは必要です。しかも、ZEBの店舗は災害時の避難および活動拠点にもなるわけですから、地域住民の方々に広く認知していただかなくてはなりません。ホームページ上でZEBへの取り組みはもちろん、ZEB認証の示す建築物省エネルギー性能表示制度のBELS(Building Energy-efficiency Labeling System)認定の証明書は店舗に飾っていますが、それだけでは伝わらないことも承知しています。

そもそもZEB自体が世間一般に認知されているとは言い難い状況ですから、まずはそこから啓蒙していく必要があると考えています。例えばですが、省エネ・創エネの状況がリアルタイムに分かるようなサイネージなどがあると、認知度は向上してくるかもしれません。ZEBを推進し続けていくことに変わりはありませんから、啓蒙活動もダイキンエアテクノと一緒に行っていければと思っています。引き続き、よろしくお願いいたします。

屋上に設置されている太陽光パネル
蓄電池対応ハイブリッドパワーコンディショナ/リチウムイオン蓄電池ユニット
ZEB Readyに認定されているV・drug藤枝茶町店の証明書

中部薬品株式会社様より

提案いただいたZEB仕様の店舗は、当社およびグループ内で大きな注目を浴びています。今回、実行に移して本当に良かったと思っています。ZEBに限らず、ダイキンエアテクノは我々にはない知識やノウハウをお持ちですから、今後も新しい提案に期待しています。そして当社としても、ダイキンエアテクノからの提案やチャレンジには可能な限り応えていきたいと考えています。パートナーとして、これからも当社のご支援をお願いします。

株式会社 エス・ピー・エスより

当社は補助金コンサル会社として、ZEBの補助金申請における手続きを支援させていただいております。Nearly ZEBや『ZEB』など上位のZEB認定を得るためには、省エネ性の高い設備の導入は勿論、建物の外皮性能を向上させる断熱性の高い建物づくりや創エネルギーとして太陽光発電システムの導入など、様々な設計が必要です。補助金申請では、公募要件に適合するか・採択の見込みがある水準のプランであるかを確認した上で、ZEBに関わる試算結果などのプランニング情報をはじめ、建築業者様や設備の施工業者様から必要な情報を収集して取りまとめ、書類を仕上げていかなければなりません。そのために、申請事業者様、ZEBプランナー様、その他関係各社の協力体制の構築が重要です。今回のZEB提案では、はじめに各社様を紹介いただき、役割分担を明確にしたことでスムーズな事業実施が実現できたと考えています。これからも中部薬品様のZEB仕様の店舗づくりに貢献できれば幸いです。

株式会社エス・ピー・エス 大江 響子

ダイキンエアテクノ Vチームより

ZEBの店舗をつくるにあたり、当社の設計部門や工事部門、サービス部門などがチームとなって全力で取り組みました。それもあってチーム全体、中部薬品様の店舗ながらまるで自分のお店のように愛おしく感じている次第です。ZEBはダイキンエアテクノとして取り組んでいる重要な分野ですが、環境に配慮した店舗づくりという点においてはZEBという視点だけにとらわれることなく、その都度、状況に応じた技術をチョイスして提案していきたいと考えています。これからもよろしくお願いいたします。

ダイキンエアテクノ 中部支店 Vチーム一同

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取材日:2021年10月

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