病院

2021.08

福岡県

医療法人永寿会 川添記念病院

万が一に備え、新型コロナウイルス感染者対策用に陰圧ブースを導入。ワクチン接種場所としての運用も検討しています。

医療法人永寿会 川添記念病院 事務管理部 福岡支部 次長 髙坂 美男氏

  • 補助金
  • 感染症対策

2021年2月に陰圧排気ユニットをセットした折畳み式陰圧ブース3台を導入した医療法人永寿会 川添記念病院の事務管理部 福岡支部 次長 髙坂 美男氏に、導入の経緯と効果について伺いました。

1.豊かな自然に恵まれた心の痛みに寄り添う病院

川添記念病院の概要をお聞かせください。

当院は博多湾を一望する丘の上にあり、海と緑に恵まれた豊かな自然のなかでゆっくりと治療に専念できる精神科・心療内科の医療機関です。

6つの病棟に310床の病床を用意し、医師、看護師をはじめ作業療法士、臨床心理士、ソーシャルワーカーなどさまざまなスタッフが力を合わせて治療にあたっています。

ストレスで軽いうつ病になった方から心身症、さまざまな心の病、さらに認知症の高齢者の方まで、それぞれの病気に最適な病棟と治療環境を準備いたしておりますので、お気軽にご相談ください。

医療法人永寿会 川添記念病院の外観

2.万が一の新型コロナウイルス対策が必要

陰圧ブースを導入した背景をお聞かせください。

新型コロナウイルス対策の一環として陰圧ブースを導入しました。新型コロナウイルスが蔓延している現在、医療機関として感染者を出さないための徹底した対策が求められます。

とくに当院には、一刻を争う事態になる可能性が、極めて高い高齢者が数多く入院されているため、外部から新型コロナウイルスが持ち込まれないようにする対策を徹底してきました。

来院される方すべてに玄関口での検温と消毒のお願いはもちろん、各フロアのホールと各病室には空間除菌清浄機を設置。さらに、面会はタブレットによるリモート面会のみとさせていただいています(緊急事態宣言が発令された場合はリモート面会も中止)。

こうした入口と内部の対策は十分に行ってきましたが、万が一、新型コロナウイルス感染者が発生してしまった場合の対策は不十分だと考えていました。

3.新型コロナウイルス患者専用病室の課題

万が一、新型コロナウイルス感染者が発生してしまった場合、どういった対策を考えていたのでしょうか。

特定の病室を新型コロナウイルス患者専用に用いる対策を考えていました。

しかし、この対策には2つの課題がありました。

ひとつは完全密閉できないこと。既存の病室ですから、いくら徹底した対策をしたとしても人の出入りがある以上、完全密閉はできません。つまり、新型コロナウイルスを病室のなかに封じ込めることはできないということです。

理想を言えば、屋外のスペースにプレハブなどの新型コロナウイルス患者専用の病室をつくることですが、当院はウイルスに特化した医療機関ではありませんので、そこまで大がかりな対策は現実的ではありません。

もうひとつは、当院に入院を希望されている方をお待たせしてしまうこと。入院治療を必要とされている方は大勢いらっしゃいますので、病室がひとつなくなるだけでも大きな損失です。また、当院にとって経済的な損失という側面もあります。

左は事務管理部 福岡支部 次長 髙坂 美男氏、右はダイキンエアテクノ 小野 英明

4.万が一の際、密閉された空間で治療できる

ダイキンエアテクノから陰圧ブースを購入した理由をお聞かせください。

万が一の新型コロナウイルス感染者対策に頭を悩ませていたとき、2020年の秋ごろにダイキンエアテクノから提案されたのが陰圧ブースでした。

新型コロナウイルス対策グッズの提案は多くの業者からいただきましたが、陰圧ブースの提案はダイキンエアテクノのみ。

プレゼンもしていただき、以下の理由で導入を決定しました。

約30人の医師や職員が集まった説明会でのシーン

1.ウイルスの拡散を防止できる

常時陰圧に保たれたブース内は、細菌やウイルスなどの目に見えない微細な粒子も外部に拡散させることなく閉じ込めておくことができるとのこと。これなら、新型コロナウイルス患者専用の病室を用意する必要がありません。

2.コンパクトに収納できる

ファンフィルタユニットを搭載した組立て式の陰圧ブースと、陰圧排気ユニットが別になった折畳み式を検討。スペースや組み立てる手間の問題を考えると、万が一のときだけ利用し、普段は倉庫などでコンパクトに収納しておくことができる折畳み式がベストだと思いました。

3.ウイルスを捕集するHEPAフィルタを搭載

お付き合いのある業者から、ダイキンエアテクノ提案の陰圧ブースに似た低価格な製品の情報を得ました。それをダイキンエアテクノに確認したところ、性能が異なるとのこと。
ダイキンエアテクノ提案の陰圧排気ユニットには、抗ウイルスHEPAフィルタが搭載されており、フィルタろ材上に担持した天然の溶菌酵素が、捕集したウイルスのエンベロープ(インフルエンザやコロナウイルスの核酸を覆うタンパク質の膜)を破壊し、ウイルスを不活化(JIS準拠による抗ウイルス性試験による効果)できると説明を受けました。
そもそも新型コロナウイルス感染者対策で導入するわけですから、HEPAフィルタの恩恵は必須だと思いました。

4.補助金を利用できる

陰圧ブースは安価な製品ではありませんので、新型コロナウイルス対策を講じる医療機関向けの補助金の活用は欠かせません。幸いにも補助金のバックアップを得ることができ、陰圧ブース導入の障壁はなくなりました。

5.ビデオ撮影を行うなど職員からも高い関心

陰圧ブース導入後の評価をお聞かせください。

今回、ダイキンエアテクノから3台の折畳み式陰圧ブースを陰圧排気ユニットのセットで購入しました。当院には6つの病棟があるので、2つの病棟で1台というイメージです。これで一通りの新型コロナウイルス対策は達成できたと思いますので、肩の荷が降りたという気持ちはあります。もちろん、陰圧ブースを使う状況がないことが望ましいわけですから、今後も徹底した新型コロナウイルス対策を継続していきます。

陰圧ブースについては医師や職員の感心も高かったようです。搬入時、説明会の開催にあたって「各病棟から1名は参加してください」とアナウンスをしたところ、約30名が集まり真剣にダイキンエアテクノからの説明を聞いていました。職員研修会用にビデオ撮影も行っていましたので、我々でも組立・収納はできそうです。

せっかく購入したわけですから、倉庫に眠らせておくのはもったいないということで、陰圧ブースのさまざまな活用法を模索中です。例えば、新型コロナウイルス対策のワクチン接種を当院で行う際は、接種場所を陰圧ブースにする案を検討しています。

今後もダイキンエアテクノには空調機など、さまざまな提案を期待しています。引き続きよろしくお願いします。

同じ記事のPDF版もご用意しています

取材日:2021年4月

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