オフィス

2018.07

東京都

株式会社ワカホ 銀座ワカホビル

ビルエアネットを導入したテナントビルでは、空調関連のクレームがありません。空調の更新も、『助成金の活用サポート』と『テナントに迷惑をかけない工事』ができるダイキンエアテクノを選びました。

株式会社ワカホ マネイジャー 中田純一氏

  • 空調
  • ビルエアネット
  • 補助金

オフィスビル、店舗用建物、賃貸マンション等の不動産を所有・管理する株式会社ワカホでは、2003年以来、銀座の8階建テナントビル「銀座ワカホビル」の設備管理にダイキンのビルエアネットシステムを活用。2016年には、同ビルの空調更新をダイキンエアテクノに依頼しました。ビルエアネットシステム、およびダイキンエアテクノへの評価を、マネイジャーの中田純一氏にうかがいました。(中田氏が手にしている模型は、2019年12月末に銀座2丁目に竣工予定の新テナントビル)

株式会社ワカホ

1954年、東京都豊島区池袋の自動車教習所として創業。1963年板橋区に移転。2001年、都の公園用地として教習所敷地が収用されたのを機に、不動産管理事業および葬祭事業に進出。グループ会社にて調剤薬局約30店舗、コーヒーショップ4店舗、自動車教習所4校等を経営。(2018年7月現在)

1.設備管理と館内警備に、15年以上ビルエアネットシステムを活用

銀座ワカホビルについてご紹介ください。

銀座ワカホビルは、東京都中央区銀座5丁目に建つテナントビルです。地上8階建、基準階坪数77.35坪、延床面積2,000m²、竣工は1975年です。1階が店舗、2~8階がオフィスとして利用されています。

当社がこのビルを取得したのは2002年です。

ビルエアネットシステムの活用状況を教えてください。

当社ではこのビルの設備全般、および機械警備を、ダイキンのビルエアネットシステムで一括管理しています。対象設備は、空調、エレベーター、給水設備、受変電設備、消防機器、および防犯設備です。

ビルエアネットシステムにより、このビルでは24時間365日、次の監視体制が実現しています。

銀座ワカホビル
ビルエアネットシステムによる監視体制
設備機器
  • 通信回線を通じ、設備機器の状態をダイキンエアネットコントロールセンターで遠隔監視
  • 異常を感知すると、迅速にダイキンエアテクノの技術者が対応
館内
セキュリティー
  • 防犯センサー・火災センサーにより、ビル内を無人警備
  • 侵入や火災等の異常を感知すると、25分以内に警備保障会社の警備員が到着。警備保障会社から警察署・消防署・ガス会社等の関係機関に通報

さらにビルエアネットシステム契約の一環として、次の管理・保守業務がダイキンエアテクノにより実施されています。

ビルエアネットシステム契約で実施されている管理・保守業務
空調
  • 4カ月ごとのフィルター清掃
  • 冷房開始前の保守点検
エレベーター
  • 月次点検および法定点検
給水設備
  • 貯水槽の点検・清掃(年1回)
  • 水質検査(年1回)
  • ポンプ点検(年1回)
その他
  • 設備全般の巡回点検(月1回)
  • 害虫防除(年2回)
  • 消防機器点検(年2回)
  • 受変電設備の月次・年次点検
  • 建築設備定期点検(年1回)
  • 電気の子メーター検針(月1回)

ビルエアネットシステムをいつ導入しましたか。

このビルを取得した翌年の2003年です。以来15年以上にわたり、ダイキンエアテクノには「このビルの設備管理のメインパートナー」としてお付き合いいただいています。

ビルエアネットシステム概要図

2.設備全般のトラブルへの対応が迅速。コストパフォーマンスも高い

ビルエアネットシステムを導入した経緯を教えてください。

このビルは、当社が2001年に不動産管理事業に進出して、最初に取得した物件の1つでした。前オーナーは、1922年(大正11年)からこの地に代々住みながら、電話加入権の売買業をされていた一族の方でした。もともと自宅を兼ねていた店舗を1975年にこのビルに建て替えられてからは、このビルの一画で営業されながら、自主管理で、テナントさんと非常に家族的なお付き合いをされていました。相続で所有権が分散し、売却を検討されていた折、たまたま当社の当時の会長が前オーナーと知り合いだった縁で、不動産事業進出を機に前オーナーから所望され取得したのが、このビルでした。

前オーナーが大切にされていた「テナントのみなさんとの家族的なおつきあい」はぜひ継承したかったので、当社もこのビルを自主管理をすることにしました。ただ、当時は異業種から参入したばかりで、ビル設備の管理に通じた者が社内にいませんでした。そこで設備管理の業務全般で頼れるパートナーを探したところ、見つかったのがダイキンのビルエアネットシステムでした。

このビルの空調の保守・更新は、前オーナーの時代から、ダイキンエアテクノ(の前身会社)に委託されていました。当社もダイキンエアテクノとの空調保守契約を引き継ぎ、その信頼性を評価していました。ビルエアネットシステムは、「空調以外の設備もダイキンエアテクノのクオリティで保守してもらえるシステム」ということで興味を持ち、導入を決めました。

毎年8月にテナントの方々と行っている「かき氷大会」(ダイキンエアテクノ社員も参加させていただきました)

ビルエアネットシステムのどのような点を評価していますか。

特に3つの点を評価しています。

評価ポイント1: 導入して以来、テナントから空調に関するクレームがない

ビル経営の業界誌に掲載される「テナントからのクレームランキング」を見ると、いつも1位は空調関係のクレームです。ところがこのビルでは、空調に関するクレームをテナントから受けたことがありません。これは間違いなく、ビルエアネットシステムの功績です。

空調の異常が感知されると、エアネットコントロールセンターに自動通報され、ダイキンエアテクノの技術者が対応してくれるのですが、ほとんどの場合、テナントさんが異常に気づく前に対応が終わっています。ビルエアネットシステムによって実現しているこの状態は、これからもずっと続けていきたいと考えています。

評価ポイント2: 緊急時の対応が早い

空調以外の設備に関しても、ダイキンエアテクノのトラブル対応は迅速です。以前、当社が取得したばかりの別の築古ビルで、天井の排水管からの水漏れが起こり、1階の店舗内が水浸しになってしまったことがありました。前オーナーから契約を引き継いだ管理会社に連絡したのですが、「明日にならないと業者を手配できない」としか回答してきませんでした。それで困ってダイキンエアテクノに相談したところ、すぐ修理に駆けつけてくれたことがありました

設備にトラブルが起きたとき、ダイキンエアテクノの機動性の高さには何度も助けられています。

評価ポイント3: コストパフォーマンスが高い

ビルエアネットシステムを導入する前は、「給水設備は給水設備の業者」、「エレベーターはエレベーターの業者」という具合に、設備ごとに異なる保守業者を使っていました。これらの設備の保守・修理をすべてビルエアネットシステムに一本化したところ、全体として設備の保守・修理費を削減できました。

設備管理に関わる業務負担も減り、遠隔監視による予防保守や、トラブル発生時の緊急出動などもしてもらるようになったので、費用対効果はかなり高いシステムと評価しています。

「テナント満足度の向上に、ビルエアネットシステムが非常に役立っています」(中田マネイジャー)

3.ダイキンエアテクノのサポートで、空調更新に都の助成金を活用

2017年にこのビルで実施した空調更新についてうかがいます。前回の更新から、何年経過しての更新でしたか。

2000年に中央式空調から個別空調に改修して以来でしたから、17年ぶりの空調更新でした。

空調の更新に踏み切った理由は。

助成金を活用した空調更新の提案がダイキンエアテクノからあったことが、実施に踏み切る大きなきっかけになりました。

適切なメンテナンスのおかげで、更新後15年を過ぎても大きな故障は起きていなかったものの、老朽化したドレンポンプの交換など、小さなメンテナンスは数年前からたびたび必要になっていました。大きな故障が実際に起き始めてからでは手遅れなので、ダイキンエアテクノに相談したところ、中~小規模のテナントビルの省エネ改修を対象とした都の助成金が、ちょうど公募中であることを教えてもらいました。

都の助成金となると、要求される書類や資料が膨大です。私たち程度の規模の会社が、コンサルタントを使わず独力で申請するのはまず不可能です。しかし、助成金の申請に必要な書類・資料の作成はすべてダイキンエアテクノがサポートしてくれると聞き、空調更新に踏み切ることにしました。

当社はビルエアネットシステムを利用していたので、空調の更新時期を決める上での参考資料として、空調運転データの詳細な分析レポートも提出されました。

エアネットのデータ分析レポート(一部)
※系統名にはボカしを入れてあります。

室外機別電力消費量
冷暖房能力ピーク時状況
系統別リモコン設定温度状況
系統別運転時間状況
室内機別運転時間ランキング
部品累積稼働時間ランキング

4.テナントに迷惑をかけない工事日程を組んでもらい、部屋ごとの違いにも柔軟に対応してもらえた

空調更新の依頼先として、ダイキンエアテクノ以外も検討しましたか。

念のため、ダイキンエアテクノ以外の会社からも見積りを取りました。

最終的にダイキンエアテクノを選んだ理由は。

一つは、助成金を活用するプランを提案をしてきたのが、ダイキンエアテクノだけだったからです。

もう一つは、テナントに迷惑をかけないための工夫が明確だったからです。具体的には、土日が休みのテナントさんがほとんどだったので、フロアごとに土日で工事を済ませるスケジュールを組んでくれました。おかげで、休日出勤を1週控えていただくだけで、翌週には空調が更新されている状態にできました。

工事に関して、他に評価されている点はありますか。

部屋ごとの違いに柔軟に対応していただけた点を評価しています。竣工から40年以上経ち、その間には様々なテナントさんが入られているので、室内の状態は部屋ごとにバラバラです。もともと各階3区画までを想定した設計でしたが、テナントづけが難しかった時代に6区画に小分けした階もあります。事前に図面で指示できなかった場合も、室内の状態に応じて柔軟に対応していただき助かりました。

5. 3割安くなった電気代は、固定部分も含めテナントに還元

空調更新の結果、電気代はどれくらい安くなりましたか。

約3割安くなりました。安くなった分は、デマンド値の減少による基本料金の減額分も含めて、テナントさんに請求する電気代に反映させていただきました。

ビルの空調更新を検討している方へ、アドバイスがあればお願いします。

空調更新に助成金を活用できるとコスト的に有利ですし、申請のサポートもダイキンエアテクノから受けられますので、相談してみることをお勧めします。

ビルエアネットシステムの導入を検討している方へ、アドバイスがあればお願いします。

ビルの設備を総合的に管理する手段としてよくできたシステムだと想います。特に空調込みでお貸しするテナントビルの場合、テナント満足度の向上に非常に役立つシステムですね。

最後に、ダイキングループへのご期待があればお願いします。

空調のトップメーカーとして、脱代替フロン開発など環境対応の面でもトップを走り続けていただけることを期待します。

「今後もよろしくお願いいたします」(右:ダイキンエアテクノ 担当 佐藤)

お話をうかがった方

株式会社ワカホ マネイジャー 中田純一氏
大手音響映像機器メーカー技術者を経て、2001年より現職。

株式会社ワカホ様より

当社では現在銀座2丁目のテナントビル(旧「銀座ブラジルビル」)の建て替え工事を進めています。竣工予定は2019年12月末です。「不動産は社会からの預かり物である。将来手放さざるをえなくなっても次の方々に役立ててもらえ続けるように、その価値を高めていかなければならない」という前会長の想いを引き継き、このビルも価値ある建物にすべく各方面との協業を進めております。完成の暁にはぜひお立ち寄りください。

ダイキンエアテクノ担当より

中田マネイジャー、今回はお忙しい中貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。テナントのみなさまに大きなご迷惑をおかけすることなく工事を無事完了でき、私もうれしく思っております。今後もダイキンエアテクノをよろしくお願いいたします。

(ダイキンエアテクノ東京支店 ファシリティ営業部 佐藤昭良)

今回の工事の概況

建物 : オフィスビル(鉄骨鉄筋コンクリート造、地上8階、延床面積2,000m²)
工事内容 : 空調設備更新
工期 : 2016年8月~2016年10月

同じ記事のPDF版もご用意しています

取材日:2018年7月

Case納入事例

すべて見る

Video動画で知る

すべて見る