福祉施設

2011.07

広島県

社会福祉法人「新生福祉会」 特別養護老人ホーム 楽生苑

空調の更新、天井断熱、ペアガラス導入を依頼しました。 入所者の体調を考慮して、施工スケジュールを柔軟に調整いただいたことを高く評価しています

社会福祉法人「新生福祉会」特別養護老人ホーム 楽生苑 理事長 伊原信夫氏(中)施設長 山中康平氏(右)事務長 西本賢治氏(左)

  • 空調
  • 断熱
  • 補助金

特別養護老人ホーム 楽生苑は、開設13年目を迎えた2011年春、空調設備の総入れ替え(空調更新)と建物の省エネ改修を行いました。工事を決めた経緯、ダイキンエアテクノに依頼した理由、ダイキンエアテクノに対する評価を、詳しく伺いました。

社会福祉法人「新生福祉会」 特別養護老人ホーム 楽生苑について

楽生苑は、広島県尾道市瀬戸田町の特別養護老人ホームである。従来型特養の他に、認知症グループホーム、ショートステイ、デイサービス、訪問介護、居宅介護支援、ケアハウス、認知症デイなどの総合的な老人福祉サービスを提供。伊原理事長の理念のもと、設立時より東洋医学を積極的に取り入れた医療介護一体型を実践し続けている。

1.空調設備の故障が増え、修理費がかさみ始めていた

楽生苑がダイキンエアテクノへ依頼した内容は何ですか。

当ホームはダイキンエアテクノに、当ホーム内の空調設備の入れ替えと、建物躯体の断熱改修工事(天井内の断熱材敷設、窓のペアガラス改修)を依頼しました。
2011年6月15日に全ての工事が完了しました。

今回の工事を行った背景を教えてください。

当ホームでは、改修前、ガスと電気を熱源とした空調システムが混在していました。このシステムは当ホーム開設時から使い続けていたものです。当ホームは、改修工事を検討しはじめた2010年春の時点で、開設から11年が過ぎていました。当時のメンテナンス業者からは、使用時間、耐用年数ともに過ぎ、メーカーのメンテナンス期間は終了していると言われていました。
その空調システムは数年前から、冷媒用のガスが漏れたり、室外機のコンプレッサーが停止するなど、重大な故障が頻発していました。
1回あたりの修理費は数十万円となり、費用がかさむとともに、居室のエアコンがストップする度に入居者を他の部屋に移動させなければならないなど、運営にも支障が出ていました。
以上のような背景があったため、そろそろ空調更新の時期だという認識はありました。しかし、空調更新には大きな費用がかかるため、修理しながらでも、使える間は使い続けるつもりでした。

従来型特養54床を備える1階居室部分に面する廊下

今回の改修工事の事業計画が立ち上がったきっかけは何でしょうか。

きっかけは、ダイキンエアテクノからの提案です。

2010年4月、コンプレッサーが壊れて交換した直後に、ダイキンエアテクノに、さきほど説明した状況を話すと、国の補助金を活用した改修工事の提案をいただきました。その提案をきっかけに、今回の改修工事の事業計画が具体化していきました。

今回の省エネ化改修の概要

改修前 改修後 建物全体での
省エネ率(※)
建物全体での合計
省エネ率(※)
空調 ガスヒートポンプエアコン
(ビル用マルチ)

電気ヒートポンプエアコン
(パッケージ)
[冷房]
能力:517.1kw
消費電力:156.3kw
燃料消費量:168kw
[暖房]
能力:619.1kw
消費電力:158.1kw
燃料消費量:168.6kw
電気ヒートポンプエアコン
(ビル用マルチ)
 +
電気ヒートポンプエアコン
(パッケージ)
[冷房]
能力:621.9kw
消費電力:189.3kw
[暖房]
能力:714.0kw
消費電力:185.1kw
6.5%
20.9%
建物躯体の
断熱改修
ペアガラス
8.0%
1・2階天井内グラスウール断熱
6.4%
※ 年間エネルギー消費量(単位GJ)換算
屋上の室外機
玄関ホール
1階デイルーム
1階デイルーム
1階食堂
1階居室

2.顧客の利益を優先するダイキンエアテクノの企業姿勢に信頼

これまでにダイキンエアテクノとの取引はありましたか。

いえ、今回が初めての取引でした。
営業担当者の初訪時から、設備点検を経て、具体的な提案書を頂くに至るまで、終始一貫して信頼できる対応でした。

具体的にはどのような対応に信頼感が持てたのでしょうか。

例えば、改修工事の具体的な提案書を頂いた際の対応です。
具体的なプランを作成するにあたり、ダイキンエアテクノは、設備点検による現状把握を行いました。その結果に基づいて、改修工事だけではなく、対案として既存システムの保全案が提示されました。そこには、各設備ごとのメンテナンス費用の試算もありました。比較対象となるデータが明確に示されたことは、検討がスムーズに進む材料となりました。
営業担当者、設備点検時の保守担当者の対応も誠実で、自社が売りたいものを売ろうとするのではなく、顧客側の判断と利益を優先するダイキンエアテクノの企業姿勢を感じました。

「老人介護では、居住環境の維持が重要です。空気の管理には特に配慮しています」(理事長 伊原氏) 

今回の改修工事では、他社との比較はしていないのですか。

もちろん、他社との比較もしました。しかし、最終的に我々が出した結論は、見積もり金額や、提案書に書かれたスペックの比較だけでは、単純には選定できないということです。
特に、今回のように補助金の活用を前提とする場合は、申請が採択されるまでの事務労力が膨大なため、発注者と受注者でしっかり連携を取らなければ前に進みません。また、施設運営を続けながら工事をしなければならないため、入所者への配慮も必要です。信頼出来ない業者には任せられません。今回は信頼性を最重視した上で、依頼先を選定しました。
2011年2月、無事に補助金が採択されたことを受け、ダイキンエアテクノに正式に工事を発注しました。

3.建物断熱により更なるランニングコストの削減に期待

今回の改修工事による効果として、期待したことを教えてください。

ランニングコストの削減です。
機器を更新することにより修理費を削減できることはもとより、高効率化による光熱費削減を期待しました。提案には、改修による建物全体の省エネ率は約20.1%とありました。LPガスを使用していたガスヒートポンプをやめてより効率の良い電気に統一したことと、最新型の空調設備に入れ替えることに加え、建物そのものの断熱性能を高めることによって見込まれた効果です。
広島県瀬戸田地区は、国内でも有数の、日照率が高い地域です。その日照率の高さが、夏場の室温が下がりにくい要因の一つだと考えられます。
天井内への断熱材敷設と窓のペアガラス改修によって、日照の侵入熱を遮断し空調効率を高めることによるランニングコスト削減が期待できました。
具体的には、下図のように光熱費を削減できました。(7月度の前年比較)

「提案を受けて、ランニングコストの削減に期待しました」(施設長 山中氏)

4.入所者に配慮した施工スケジュール

工事はどのように進みましたか。

工事は以下のようなスケジュールで進みました。

工事日程(4月8日~5月2日)

※5月3日~5月8日まではGW

工事日程(5月9日~5月28日)

工事日程(5月29日~6月15日)

着工を迎えるにあたって、心配な点はありませんでしたか。

我々が特に心配したのは、工事期間中、入所者に迷惑がかからないかどうか、運営の妨げになるようなことが発生しないか、です。
また、本格的に暑くなる前の6月中旬には工事を完了させたかった。そのため、完工予定日を6月20日までと指定していました。
入所者は高齢のため、急に体調が変化する場合もあります。それによって、予定していた居室の施工が出来ないこともあり得ます。
そういった状況の変化に対応してもらえるのか。そして、それによってスケジュールの遅延が発生しないか。それだけは心配していました。
しかし、今回の工事は、現場管理を担当した工事担当の方が、我々との打ち合わせを基に施工場所ごとに綿密な工程表(下表参照)を作成した上で、状況の変化に柔軟に対応しながら、工事を進行し、予定通りに完工しました。工事期間中は毎朝我々とミーティングを行い、スケジュールを調整し、なおかつ、ホームの職員から上がってくる意見・要望にも、きめ細かく対応してくれました。

「今回の工事は、施設職員からの評判も非常に高かった」(事務長 西本氏)
工程表から空調工事・1階居室部分を抜粋。施工箇所ごとに日時が細かく設定されている。

今回、ダイキンエアテクノに対して、どのように評価されていますか。

柔軟な施工スケジュールの調整に加え、腕章の着用等、作業現場における基本的なルール順守の徹底などに高い評価をしています。現場でのコミュニケーション、居室へ入る際のマナーなどもきちっとしていたということで、その対応の仕方に、施設職員たちも大変高い評価をしていました。
また、工事の品質管理も徹底していました。中間検査、最終検査にも立ち合いましたが、大変細かいところまでチェックして、わずかな不具合も見逃さず、すぐに原因を特定して調整していました。妥協せずに仕事を進める姿勢には感銘を受けました。

5.空調にとどまらない提案、施工、メンテナンスに期待

今後の抱負と、ダイキンエアテクノへの今後の期待をお話し下さい。

当ホームの理事長は内科医師で東洋医学を専門としているため、入所者の環境整備には開設時より気を配ってきました。空気清浄機を各居室に設置し、空気環境やニオイにも気を配っています。加えて、地球環境保護意識も高く、省エネ・節電に関しては日頃から厳しくチェックしています。今後も、この方向性は維持していくことになるでしょう。
ダイキンエアテクノに対しては、提案、施工、メンテナンスまで一貫して行う会社ですので、今後も、それらを活かしたサービスを継続していただけることを期待します。そして、空調機器にとどまらず、建物の改修に関する工事も含め、末永くお付き合いして行きたいと考えています。

ダイキンエアテクノ営業担当より

伊原様、山中様、西本様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
当初の計画通り、本格的な夏を迎える前に空調設備の運転を開始できたことは、弊社としても、大変嬉しく感じております。
今後ともダイキンエアテクノをよろしくお願い申し上げます。

(ダイキンエアテクノ株式会社 中国支店 営業部 法人営業グループ 森昌博)

今回の工事の概況

建物 :特別養護老人ホーム 地上2階
工事内容 : ホーム内の空調機器更新 及び断熱改修(天井断熱、ペアガラス)
工期 : 2011年4月8日~6月15日
延べ床面積 : 4,370m2

取材日:2011年7月

※ 楽生苑のWebサイト

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