福祉施設

2012.11

熊本県

医療法人社団 司会 介護老人保健施設 かがみ苑

太陽光発電、LED照明、給湯ボイラー、空調まで含む、トータルな省エネ改修ができました。ダイキンエアテクノのアドバイスで、国の補助金を活用できたおかげです。

医療法人社団 司会 介護老人保健施設 かがみ苑 事務長 橋口眞理子氏 事務長代理 谷口真由美氏 看護介護部課長 高橋康二氏

  • 空調
  • 断熱
  • 照明
  • 給湯
  • 太陽光発電
  • 補助金

熊本県八代市の介護老人保健施設かがみ苑では、平成23年、築14年になる施設の省エネ改修を、ダイキンエアテクノに依頼しました。省エネ改修を実施した経緯と効果、およびダイキンエアテクノの評価を、事務長の橋口眞理子氏(写真中央)、事務長代理の谷口真由美氏(写真右)、および看護介護部課長の高橋康二氏(写真左)にうかがいました。

かがみ苑について

熊本県八代市の介護老人保健施設。入所定員80床(うち認知症専門棟30床)、通所リハビリ定員50名。職員数84名。設立平成9年。医療法人社団 司(つかさ)会が運営。

1.国の補助金を活用して、太陽光発電まで含むトータルな省エネ改修ができました

かがみ苑では今回、ダイキンエアテクノに何を依頼しましたか。

私達かがみ苑では、ダイキンエアテクノに、老人保健施設建物の省エネ改修を依頼しました。

改修を依頼した建物は、地上1階建、延床面積3,848m2、コンクリートブロック造で、竣工平成9年、今年で築15年になります。

今回の改修は、国土交通省が平成23年に公募した「建築物省エネ改修推進事業」に採択され、国の補助金を受けることができました。

ダイキンエアテクノは、国に提出する書類の作成を代行してくれただけでなく、補助金が下りる工事の範囲や、事業認定に必要なエネルギー計測・管理体制の整え方などについても、詳しくアドバイスしてくれました。

国の補助金を活用できたおかげで、太陽光発電の設置、照明のLED化、空調設備の更新、窓ガラスの複層化、天井裏への断熱材敷設、給湯ボイラーの更新、エネルギー監視システムの導入まで含む、トータルな省エネ改修ができました。
工事は今年3月に始まり、今年7月に完了しました。

デザイン性の高い施設建物は「平成10年くまもとアートポリス推進賞選賞」を受賞した。
今回の省エネ改修の全体像

受付横に設置された太陽光発電モニター

2. 8月の電気使用量が25.6%、電気代が14.0%削減されました

省エネ改修の効果を教えてください。

今年8月の電気使用量を昨年と比較したところ、-17,202kw、25.6%の削減になっていました。電気代は-139,465円、14.0%の削減でした。

節電・省エネ以外には、どのような効果がありましたか。

空調の効きもよくなりました。改修前は、夏場など、設定温度をいくら下げてもなかなか涼しくなりませんでした。今は、設定した室温まですぐ下がります。

室温の管理も楽になりました。各部屋の室温を1箇所で管理できるようになり、ご自身で訴えのできない方の居室の室温設定の異常にも、すぐに気づけるようになりました。室温調整も、以前よりきめ細かくできるようになりました。

3.お世話になっている地元業者の方も、工事に加えていただけました

空調設備の更新を、いつ頃から考えていましたか。

2~3年前、築12年ほど経った頃からです。その数年前から、空調が頻繁に故障するようになり、修理するたびに何十万円という出費になっていました。1箇所修理してもすぐ別の箇所が故障するようになって、これはもう、空調設備をすべて入れ替えるしかないと判断しました。

空調設備を更新することに決めたあと、どのように行動しましたか。

この施設ができた時からずっと電気関係の修理をお願いしてきた、地元の業者の方に、見積りをお願いしました。故障があった時は電話一本で駆けつけ続けてくれた業者さんなので、うちとしては、他の業者さんにお願いすることは考えられませんでした。

ただ、その業者の方は個人で事業をされていることもあって、うちのような規模の施設の空調を全面的に入れ替える工事の見積りは、なかなか難しい様子でした。

見積りを待っている間にも、止まったままの空調機が少しずつ増え、利用者のみなさんに夏暑く冬寒い思いをさせかねない状況になってきました。お部屋の暑過ぎ・寒過ぎは、利用者のみなさんの命にも関わります。また、認知症専門棟は、夏暑いからといって、窓やドアを開けておくわけにはいきません。応急の策として、夏は扇風機、冬はファンヒーターを設置して対応していましたが、空調設備の一刻も早い更新が待たれる状況でした。

ダイキンエアテクノのことは、どのようなきっかけで知りましたか。

ダイキンエアテクノのことは、医療福祉施設を対象にした省エネ関連セミナーの案内をいただいて知りました。ちょうど空調更新の見積りをなかなか出してもらえず困っているところでしたし、国の補助金についても知りたかったので、セミナーに参加しました。

セミナーのあと、ダイキンエアテクノの方にうちの空調の状況をお伝えし、ずっとお世話になっている地元の業者の方に工事をお願いしたいと考えていることもお伝えしました。そうしましたところ、「その業者さんでしたら、弊社もお付き合いがあります。そちらの業者さんに参加していただく形で、省エネ改修をすることも可能です」とのお返事をいただきました。お世話になっている業者さんにも工事に参加していただけるならと、一も二もなくダイキンエアテクノに提案をお願いすることにしました。

「工事中もストレスなく意思の疎通ができました」(橋口氏)

4.補助金が下りる範囲で、省エネに貢献する改修をできるだけ実施しておくことにしました

太陽光発電の導入、照明のLED化、給湯ボイラーの更新まで含む、トータルな省エネ改修を実施したのはなぜですか。

ダイキンエアテクノに空調設備の状況をお伝えするうちにも、空調以外でも様々な不具合が起き始めていました。また、空調以外にも、省エネ改修として国の補助金を活用できる箇所があることがわかりました。補助金をいただいて改修する以上は、節電・省エネ効果の高い改修計画にしたいと思いました。そこでこの際、節電・省エネルギーに貢献する改修を、補助金が下りる範囲で、できるだけ実施しておくことに決めました。

最終的に、施工をダイキンエアテクノに依頼することに決めた理由を教えてください。

一番大きかったのは、ダイキンエアテクノの担当者の方と話し合いを重ねる中で、「私達のさまざまな要望に、柔軟に、誠実に応えてくれる会社」と確信できたからです。高齢者の方に24時間365日サービスを提供する施設の性格上、工事にあたっては、利用者様の安全確保のため、いろいろと要望がありました。工事のスケジュールを、当日になって変更していただかなければならなくなることも多いと予想されました。私達にとっては、「機械の性能がどれぐらい素晴らしいか」よりも、「工事中の要望にどれぐらい気持ちよく応えてもらえるか」の方が、ずっと大切でした。ダイキンエアテクノは、提案をお願いする段階から、私達の要望に柔軟に対応する姿勢を見せてくれました。
また、世界的に知られているダイキンブランドの安心感もありました。

「補助金の申請書類の作成も代行していただき、助かりました」(谷口氏)

5.利用者の方々の安全に配慮した工事計画を立てていただきました

工事の計画を立てるにあたり、どのようなことを要望しましたか。

工事の計画を立てるにあたっては、特に3つの点をお願いしました。

1.利用者の方々に、お怪我などないように

利用者の方が工事資材につまずいたり、床に落ちたチリなどで足を滑らせたりすることがないように、資材の管理や工事後の清掃を、十分にやっていただくようお願いしました。

2.生活の質が、できるだけ損なわれないように

入所者のみなさんの食事や入浴などにできるだけ支障がないように、また通所リハビリの活動にもできるだけ影響がないように、曜日や時間帯を選んで工事していただけるようにお願いしました。

3.認知症の方々への配慮も十分に

利用者の方の中には、工事で大きな音がした時、不安をうまく伝えられず、行動に出てしまう方もいらっしゃいます。不用意に物が置いてあると、お口に入れてしまう事もあります。工事用の入口が開いていると、一人で外に出て行かれる危険がある方もいらっしゃいます。そうした方々にも十分配慮して作業していただけるようにお願いしました。

「利用者の方の体調や様子に応じて、工事スケジュールを柔軟に変更していただけました」(高橋氏)

工事計画に、要望は反映されましたか。

はい。私達の要望を、十分に反映した工事計画を立てていただきました。

居室の工事計画を立てるにあたっては、入所者のみなさんの移動スケジュールまで含めて計画していただきました。通所リハビリやリハビリで利用する場所の工事は、通所リハビリやリハビリのない日曜日に実施していただけました。

太陽光発電の送電工事のため、日中7時間ほど停電が必要な日があったのですが、事前に必要な電力を調査した上で、精密医療機器の動作にも支障のないインバーター付き発電機を用意していただけました。

工事計画を早い段階で立てていただけたので、停電中に職員を増やすなどの対応も、余裕をもってできました。

部屋ごとに綿密に立てられた工事計画

6.工事が始まってからも、いろいろとわがままを聞いていただきました

工事中の、現場監督や作業員の対応はいかがでしたか。

何ヶ月も続く工事を取り仕切ってくれた現場監督の方には、いろいろとわがままを聞いていただきました。利用者の方一人一人の体調や様子に応じて、工事スケジュールの変更をお願いしなければならない場面が、ずいぶんありました。現場監督の方は、そのたびに柔軟に対応してくださいました。

いろんな業者の方が入る中、引き継ぎもきちんとされていましたし、作業員のみなさんのマナーもしっかりしていました。

着工前の空調室内機
旧室内機の撤去作業
設置が完了した新室内機
設置が完了した空調室外機
天井断熱材の敷設
窓ガラスの複層化工事
照明のLED化工事
旧給湯ボイラーの撤去
新しい高効率給湯ボイラーの設置
太陽光発電パネルの架台
設置が完了した太陽光発電パネル
エネルギー監視システムの配線工事

7.人にサービスを提供する施設だから、業者さんも人で選ぶことが大事なんだと思います

省エネ改修を検討している医療・介護施設の方に、何かアドバイスがあればお願いします。

やはり私達は人を相手にサービスを提供する施設ですから、業者さんを選ぶ時も、人で選ぶことが大事なのではないかと思います。いざ工事が始まってから、意思の疎通がうまくいかずストレスを感じたり、利用者の方々に迷惑をかけたりすることがないように、要望に誠実に対応してくれる業者さんを見極める必要があると思います。

最後に今後の抱負と、ダイキンエアテクノへの期待があればお聞かせください。

この地域も高齢化が進み、介護を必要とする家族を持つ方々の悩みが、深刻になってきています。私達は、「かがみ苑に相談すれば何とかなる」と言っていただけるような、地域の方々に頼りにしていただける施設を目指して参ります。

ダイキンエアテクノには、空調、照明、給湯、太陽光発電の継続的なメンテナンスと、節電・省エネ推進のサポートを期待します。何かあったときは飛んできてください。これからもよろしくお願いします。

ダイキンエアテクノ営業担当より

橋口様、谷口様、高橋様、今回はお忙しい中貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。補助金を活用したトータルな省エネ改修を、利用者のみなさまに大きなご迷惑をおかけすることなく無事完了でき、私もうれしく思っております。工事は無事完了しましたが、メンテナンス、保守点検でのお付き合いはこれからスタートです。今後ともダイキンエアテクノをよろしくお願いいたします。

(ダイキンエアテクノ九州支店 熊本営業所 営業グループ 園田雅輝)

今回の工事の概況

建物 : 老人保健施設(コンクリートブロック造、地上1階建、延床面積3,848m2
工事内容 : 建物省エネ改修
工期 : 2012年3月~2012年7月

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取材日:2012年11月

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